2012年5月15日 のアーカイブ

インタビュー:初来日、ボサノヴァの新しい才能アレ・ヴァンゼラ(Ale Vanzella)

ブラジルを出発し、初のNYでの公演を成功させ、日本に向かったアレ・ヴァンゼラ(Ale Vanzella)。
ボサノヴァに新風を吹き込む新しい才能です。
成田に到着してからまだ数時間の彼を捕まえて、今回のツアーについて、聞きました。
「イケメン」っていう謳い文句はまさにその通り。翌日、女性の友人に写真を見せたら「イチコロ」で彼の虜になってました。
まあ、でもぼくは男なんで、そこには心動かないんだけど、インタビューしただけで彼の体全体から出てくる人の良さにも、魅了されました。

今回のツアーは、5/13にスタートし、5/20まで、都内7カ所で行われます。各公演では、異なる日本人ミュージシャンとも共演します。
共演する日本人ミュージシャンも定評のある素晴らしいミュージシャンばかり。皆さん、アレ・ヴァンゼラに協力してくれています。

彼の顔見せ行脚にぜひを足を運んで、彼の音楽と人となりをぜひ自分の耳と目で確かめてください。
1stアルバムをまさに「携えて」の来日(ぼく自身も実際会うまでアルバムの中から数曲聞いたことがあるだけでした)。少し強行な感じもしますが、そんなところも含めて、彼を応援したくなるはずです。では、彼の言葉を聞いてください!!
[インタビュー:5/10 西荻窪Aparecidaにて(文:花田勝暁)]

────Entrevista com Ale Vanzella ────

──今回が日本での初めての公演ですか?
Ale Vanzella(以下A) 今回、初めて日本に来たよ。

──今日着いたんですよね。
A 日本に到着して、まだ4時間しか経っていないよ(笑) (NYから)14時間のフライトだったよ

──お疲れのところ、ありがとう。日本で公演するのが楽しみですか?
A 今とても幸せな気分だ。今ここまで見たもの総てを気に入っている。来たことがなかったから、何が待っているかわからなかった。でも今、すごく演奏したい気持ちだ。

──日本に以前、どんな印象を持っていましたか?
A 今持っている印象じゃなくて、以前持っていた印象だよ。僕が持っていた印象は、日本はとても進歩した、最新技術に溢れた国だろうけど、人々は冷たいんじゃないかと思っていた。よそよそしくされるんじゃないかと。実際、思っていた通りとても進んだ国だけれど、人々は、まるでブラジルにいるかのように熱い人たちばかりだ。

──もう日本での公演のレパートリーは決めましたか?
A 日本での公演でのレパートリーは3つのパートに分かれる。ただそれは、順番に3つのパートをやるって意味ではなくて、交錯している。1つ目は、ボサノヴァの古典。例えば、トム・ジョビン、ジョアン・ジルベルトの曲。「メディテーション(Meditação)」「ウェーブ(Wave)」「コルコヴァード(Corcovado)」「想い溢れて(Chega de Saudade)」。もう1つのパートは、インディー・ロックのパートで、ぼくは「ニルヴァーナ(Nirvana)」「ザ・キラーズ(The Killers)」なんかの曲をボサノヴァでやる。それから、ぼくのCDに収録された曲を演奏するパート。全部で17曲かな。

──アルバム『Indie Bossa』についてうかがいます。アルバムの録音はどのように始まりましたか?
A アルバムの録音は、2011年の2月に始まった。ぼくは、以前作曲していた沢山の曲をボサノヴァに作り替えた。この録音は、2月から8月まで続いて、ぼくはアルバムの90%を録音した。その時には新しい曲が生まれた。ぼくはボサノヴァの曲を作曲し始めたからだ。だから、アルバムの中には、僕が以前作った曲と、最近作った曲の両方がある。僕のパートは総て、リオで録音して、ピアノだとか一部はロサンゼルスで録音された。

──どうして『Indie Bossa』というタイトルにしたのですが。
A 『Indie Bossa』は、今話したように、実際に「ボサノヴァ」と「インディー・ロック」を融合したからだ。ぼくは長い間インディー・ロックを聞いてきて、演奏してきた。ボサノヴァを演奏した時に、ぼくの僕のボサノヴァの音は、普通のボサノヴァとすこし違っていた。その時、すでにアルバムの名前が暗示されていたんだ。

──日本盤のボーナストラックに収録されている日本語の歌「笑おう」について教えて欲しいのですが。
A 「笑おう」は、「A Sorrir」という曲の日本語バージョンだ。ぼくは、もちろんポルトガル語で作曲した。ぼくは日本語は話せないからね。ぼくはその曲がとても気に入っていて、アルバムに日本語の曲を入れようというアイディアが生まれた時に、この曲がすぐ頭に浮かんだ。うまくいくんじゃないかと直感があったんだ。試してみたくなった。ブラジルに住んでいる日本人の友人と相談して、彼女が歌詞を日本語にするのを手伝ってくれ、録音できるように発音を教えてくれた。

──日本でも歌うつもりですか?
A もちろん!

──コンサートはどのようなコンサートになりますか?
A 声とギターだけの、落ち着いたものになる。ボサノヴァの古典的なスタイルだよね。穏やかで、ゆったりしていて、観客は、アルバムを総括したものを期待してくれていい。アルバムと僕が受けてきた影響を、総括するものだ。古典的なボサノヴァと少し異なったボサノヴァ。「ボサノヴァ」と「インディー・ロック」の融合だけれども、それは常に自然な融合になっていると思う。

──音楽家としてのキャリアを教えてもらえますか?
A 音楽を13〜14歳でやり始めた。ロック・バンドでドラムを叩いていた。「ニルヴァーナ(Nirvana)」「フー・ファイターズ(Foo Fighters)」に「セパルトゥラ(Sepultura)」まで演奏していた。ヘヴィーなバンドばかりだ。16歳ぐらいまで、バンドでドラムをやっていて、その後ヴォーカルとギターをやるようになった。レパートリーも少し変わって、「ウィザー(Weezer)」や「ザ・ストロークス(The Strokes)」といった、よりインディー・ロックよりのバンドを聞くようになった。そういう活動を続けていたけど、学業のために一度音楽から離れた。ぼくは、会計学(Controladoria)と税法(Direito Tributário)で、修士号をとった。音楽から離れていた時間が長くて、音楽に戻ってみると、ぼくは以前より随分と落ち着いていた。ジョアン・ジルベルトを聞きはじめた。なぜなら、彼のギターの弾き方に興味を持ったからだ。彼の弾き方を勉強して、その奏法で自分の曲を演奏してみた。ボサノヴァのようにね。自分なりの音楽ができて、その録音のことを、ずっと親しくしていたプロデューサーのクラウジオ・ジラルディ(Cláudio Girardi)に相談した。アルバムは完成して、今こうやってリリースできるところまできた。

──日本のブラジル音楽愛好家に何かメッセージをお願いします。
A メッセージは…今、ブラジルでは音楽シーンでたくさんの素敵な動きがあって、日本で今まさに生まれているそれらの音楽が知られていることがとっっっても嬉しい。でも、まだブラジルにはこれから姿を表す音楽もたくさんある。ぼくが伝えたいメッセージは、探して見つかった音楽こそ、一番の音楽になるだろうから、探し続けて欲しいってことだ。

──あなたのコンサートを待っている人に、メッセージをお願いします。
A ぼくこその方こそがみなさんのことを知りたいんだ。一緒に話して、一緒に演奏して、みんなの友達になりたいよ!!

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アレ・ヴァンゼラ(Ale Vanzella):リオ・グランデ・デ・スル州出身。1984年生まれ。
1stアルバム『Indie Bossa』(2012)のリリースツアーで、日本に初来日。

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“Indie Bossa”
firsto live tour in Tokyo / Ale Vanzella
 “インディ・ボッサ” ファースト・ライブ・ツアー・イン・トーキョー/アレ・ヴァンゼラ
http://www2.ocn.ne.jp/~argo/liveschedule2.html

──終了分──

●2012年5月13日(日) 開場 15:30 開演 16:00
渋谷  barquinho(バルキーニョ)(東京都渋谷区宇田川町11-2 2F tel:03-3476-3097)
──第一部: 臼田道成(g&vo)
──第二部:Ale Vanzella (g&vo)
料金:ミュージックチャージ2500円+order

●2012年5月14日(月) 開場 18:30 開演 19:30
原宿   Mal di Mare(マル・ディ・マーレ)(東京都渋谷区神宮前3-27-23, 2F tel:03-6804-6706)
──第一部: 西澤沙苗(g&vo)
──第二部:Ale Vanzella (g&vo)
料金:ミュージックチャージ2500円+order

──残り5公演!!──

● 2012年5月16日(水) 開場 19:30 開演 20:00
国分寺  Giee(ギー)(東京都国分寺市本町2-3-9,B1F tel. 042-326-0770)
──第一部: 中浩美(pf&vo)、日野雅司(g)
──第二部: Ale Vanzella (g&vo)
料金:ミュージックチャージ2500円+order

●2012年5月17日(木) 開場 18:30 開演 19:00
深川 そら庵(東京都江東区常盤1-1-1 tel. 050-3414-7591)
第一部: 中浩美(pf&vo)、井手野敦(perc)
第二部:Ale Vanzella (g&vo)
料金*ミュージックチャージ2500円+order

●2012年5月18日(金) 開場 19:00 開演 20:00
中目黒 FJ’s(東京都目黒区中目黒5-1-20 tel. 03-3760-2825)
──第一部: 筒井タケオ(g&vo)、山野友佳子(pf)
──第二部:Ale Vanzella (g&vo)
料金:ミュージックチャージ2500円+order

●2012年5月19日(土) 開場 14:00 開演 14:30
浅草 Que Bom!(キ・ボン)(東京都台東区西浅草2-15-13,B1F tel. 03-5826-1538)
──第一部: 吉野幸子(g&vo)
──第二部:Ale Vanzella (g&vo)
料金:ミュージックチャージ3000円(1drink付き)

●2012年5月20日(日) 開場 15:30  開演16:00
場所 西荻窪 Aparecida(アパレシーダ) (東京都杉並区西荻南3-17-5-2F tel:03-3335-5455)
──第一部: 臼田道成(g&vo)
──第二部:Ale Vanzella (g&vo)
料金:ミュージックチャージ2500円+order

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Ale Vanzella – Grudge

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Ale Vanzella – Cor e Acordes

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アレ・ヴァンゼラより日本のファンにメッセージ

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Waraou (A Sorrir) – Ale Vanzella, “O Barquinho” Tokyo – 13/05/2012

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