2012年4月 のアーカイブ

週刊 新しい音 Vol.5 ─As Novidades Semanais─

今回でVol.5ってことで、1ヶ月は続けたのね。偉いわ、私。一昨日は、元同僚の結婚式だったのよ。いい結婚式だったわ。色んな人にも久しぶりに会えたわ。昔好きだったあの人にも、今気になっているあのコにもね。綺麗だったわあのコ。某誌の編集長と5次会に行ったんだけど、彼と別れてから電車に乗るまでの記憶がないの。ブレン・ブレン・ブレンを4時頃に出て、気がついたら京王線に乗っていたわ。起きたら電車の中で8時だったわ。私ったら、電車で何往復したのかしら。昨日は、二日酔いスタートだったわけだけど、夜には出かけたのよ。夜の国立へね。ケペル木村さんと柳樂光隆さん、江利川侑介さんがやっている『エグベルト・ジスモンチを極める』に行ったわ。とても勉強になったわ。しかも皆さんイケメンね。うらやましいわね。こんな感じに、なぜかおネイ言葉でお送りしますよ!! 連いてくるのよ!!!

──今週の目玉──Destaque da semana──
クルミン(Curumin)の新作『Arocha』が、Soundcloudでフル試聴開始よ。かっこいいのよ!!
前作『Japan Pop Show(2008)』と前々作『Achados e Perdidos(2005)』は国内盤もリリースされたので、日本での認知度もそれなりに思われるクルミンさん。「Luciano “Curumin” Nakata」という名前からもわかるように、日系人の血も流れているのよ。サンパウロ出身。
ヒップホップもファンクもソウルもサンバもロックも飲み込んだ、ちょっと電子的なハイブリッドな音楽を今回も聞かせてくれているわ。
http://soundcloud.com/curumin-oficial/

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ヒタ・リー(Rita Lee)のニューアルバム『Reza』から、ヒットしているタイトル曲「Reza」に続く曲が公開になったのよ。タイトルは「Tô um lixo」。アップテンポで爽やかなロックチューンよ。

Rita Lee – Tô um lixo

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昨年は「Nightwalker」のクリップが、VMBの年間最優秀クリップ部門にノミネートされたSPの若手シンガーソングライター「チアゴ・ペチチ(Thiago Pethit)」の新しいクリップ「Não Se Vá」よ。美しいわ。このシンガーソングライター、イケメンなのよ!!
Thiago Pethit – Não Se Vá (Official Music Video)

「Nightwalker」のクリップも、まだ見てない人はぜひ!
Thiago Pethit – Nightwalker (Official Music Video)

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パラナ州出身の3人組ロックバンド「ナヴィルトン(Nevilton)のニュークリップ。製作準備に2年かかったそうよ。人文字で「2:20」から「2:19」「2:18」とカウントダウンして行って、最後「0:00」になるまで、周りでも様々なことが起こっているという面白いクリップなのよ。(良質新人ロックバンド、百花繚乱 その1 ~南部出身バンド編~

NEVILTON – Tempos de Maracujá [Clipe Oficial]

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ヴィニシウス・カストロ(Vinícius Castro)の新しいプロジェクト「クリア(Cria)」よ。彼の1stアルバム『Jogo de Palavras』に収録された曲「Dos pés à cabeça」を、子ども向けの優しいアレンジで演奏しているのよ。いい曲よ!! 優しい曲よ!! 優しい映像よ!!

CRIA – Dos pés à cabeça

ヴィニシウス・カストロに興味を持った方は、彼のオフィシャルサイトで、『Jogo de Palavras』を配布しているから、ぜひ手に入れるのよ!!
http://viniciuscastro.com.br/?page_id=50

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ア・バンダ・マイス・ボニータ・ダ・シダーヂ(A Banda Mais Bonita da Cidade)のKeyで映像作家のヴィニシウス・ニシ(Vinicius Nisi)による新しいプロジェクト「オ・デスコブリメント・ド・ブラジル(O Descobrimento do Brasil)」が始まったのよ。YouTubeに15日に1つ、新しいブラジル音楽を映像で紹介していくプロジェクトらしいわ。
すでに、A Banda Mais Bonita da Cidadeの他に、チエ(Tiê)、トロイ・ホシーニョ(Troy Rossilho) 、レオ・フレサト(Leo Fressato)との収録が済んでいるということよ。

まだ本格的には、本編は始まっていなくて、今のところ、プロジェクトのトレーラーと、A Banda Mais Bonita da Cidadeのメイキング映像がUpされているのよ。今後が楽しみなのよ!!

Making of : A Banda Mais Bonita da Cidade [ODB #1]

o descobrimento do brasil [ prévia ]

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エミシダEmicida最新クリップ「Zica,VaiLá」。サッカーブラジル代表のネイマールが出ているので話題になっているわ!!
ネイマールは、山寺の仙人のような役だけど、役名はメストリ・ミヤギらしいのよ。
他にもテクノブレーガを牽引する歌手のガビ・アマラントスGaby Amarantosも出演しているわ。やっぱりガビちゃん、押されてるわね!!

それから、Emicidaの周辺のラッパーのカマウ(Kamau)、プロジョタ(Projota)、ハシヂ(Rashid)、ヘアル・ダ・ヒマ(Rael da Rima)といった面々も出演しているわ。
この曲「Zica,VaiLá」は、彼の最新作『Doozicabraba e a Revolução Silenciosa』に収録されている曲で、新曲ではないのよ。(ブラジルのHipHopの歴史が動いている「CrioloとEmicida」

Emicida – Zica, Vai Lá(Video clipe Oficial) VOTE TOP 10 MTV

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女性Voのファンク系の本格ロックバンド「チポ・ウイスキ(Tipo Uísque)」のニューEP『Home』。彼らのサイト上で配布中よ(1ツイートか、Facebookでコメントを残すことでダウンロード可能よ)。 Globo系のレーベルのSom Livreの若手部門SLAPに所属しているから、フルアルバムがリリースされれば、強くプッシュされていく存在になると思うわ。かなりパンチの効いた音しているし、女性Voもキャラが立っていそうだけど、英語詞なのが気になるわ…。音楽性は違うけど、CSS的に世界に羽ばたいていって欲しいということなんでしょうかね。

ダウンロードはこちらからよ。
http://www.tipouisque.com/

Tipo Uísque em “Bend your knees” no Estúdio Showlivre 2012

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musicotecaが、「Cafajeste(浮気男とかって意、最近はそんなに使わない言葉らしい)」をテーマにしたコンピレーション『Cafa』を発表したわ。音源自体は、過去にmusicotecaが発表したものばかりだけど、いい感じのメンツが揃っていて、面白いわ。テーマがそういうテーマなので、男性のアーティストばかりが収録されていて、その中でもシンガーソンガーソングライターが多いわ。若手の男性シンガーソンガーソングライターに関しては、これを聞けばかなりカバーできるって感じもするわ。気に入ったら、それぞれのアーティストの作品に手を伸ばしてみてみるのよ!!

収録曲
1. Sem Medida – Pélico
2. Táxi Irmã – Pipo Pegoraro
3. Eu Sei – Renato Godá
4. Mais Um Samba – Gunnar Vargas
5. O Beijo Teu – Matheus Brant
6. Freguês da Meia-Noite – Criolo
7. Cira, Regina e Nana – Lucas Santtana
8. Namorin – César Lacerda
9. As Voltas – Qinho
10. Bossa ‘n’ Bossa – FelixBravo
11. Vem Menina – Curumin

ダウンロードはこちらから。オススメよ!!
http://www.amusicoteca.com.br/?p=6377
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おネイ言葉で突き通したわ。勝手におネエになっちゃって、GWが明けて怒られたらどうしようかしら…
でもいいの、ヒタ.リーだって怒られっぱなしじゃない。ヒタ・リーみたいなおばちゃんになりたいわ。嘘よ。次回も読むのよ!!!

──過去の記事──
週刊 新しい音 Vol.4 ─As Novidades Semanais─ http://wp.me/pr74C-hI
週刊 新しい音 Vol.3 ─As Novidades Semanais─ http://wp.me/pr74C-hr
週刊 新しい音 Vol.2 ─As Novidades Semanais─ http://wp.me/pr74C-h7
週刊 新しい音 Vol.1 ─ As Novidades Semanais ─ http://wp.me/pr74C-gG
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良質新人ロックバンド、百花繚乱 その2 ~サンパウロ出身バンド編~ http://wp.me/pr74C-hV
良質新人ロックバンド、百花繚乱 その1 ~南部出身バンド編~ http://wp.me/pr74C-gz
ブラジルのHipHopの歴史が動いている「CrioloとEmicida」 http://wp.me/pr74C-fx
ブラジリアン・ニューフォーク http://wp.me/pr74C-eZ

4/26日午前11時〜 岡村淳監督の最新作「あもーるあもれいら」第三部『サマークリスマスのかげで』上映

直前の更新ですが、明日、サンパウロ在住のドキュメンタリー映画監督の岡村淳監督の最新作「あもーるあもれいら」第三部『サマークリスマスのかげで』が下高井戸シネマで上映されます。

「優れたドキュメンタリー映画を観る会」主催のドキュメンタリー特集での上映です。明日4/26(木)午前11時〜の上映です。劇場初公開です。
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あもーる あもれいら
第三部 サマークリスマスのかげで

2012年/ブラジル・日本/1h47/プロジェクター上映
監督:岡村淳
ブラジルの田舎町アモレイラで貧しい家庭の子供が通う保育園を記録したシリーズ完結編。保育園は年度の締めくくりであるサマークリスマスのお祝いに向かっていた・・・。

会場などの詳細は以下のリンクをご参照ください。
http://shimotakaidocinema.com/schedule/tokusyu/dokyu2012.html
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また、これはもっと直前ですが、本日4/25日19:30から、西荻窪APARECIDAにて、「あもれいら」完結編公開前夜祭ということで、岡村淳さんの過去の作品の中から、「ブラジル・土地なし農民の闘い」「ブラジル・クリチバの挑戦」を上映するイベントが行われます。

http://www.100nen.com.br/ja/okajun/000119/20120314008023.cfm

カンヌ映画祭で、ブラジル映画が特別上映される

ブラジル映画が、5月16日から27日まで開催される第65回のカンヌ映画祭で、特別上映される。映画祭の監督のThierry Frémauxが決定を発表した。映画祭期間に、映画監督ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス(Nelson Pereira dos Santos)(84歳)が、オメナージュを受ける予定で、同監督の最新作『A Música segundo Tom Jobim』は特別セッションで上映される。

それ以外にも過去のブラジル映画が特別上映される。上映される作品は、カカ・ヂエゲス(Cacá Diegues)監督の『Xica da Silva(1976)』『Quilombo(1984)』、ルイ・ゲーハ(Ruy Guerra)監督の『Ópera do Malandro(1986)』『Os Deuses e os Mortos(1970)』など。

ブラジル映画はこれまで同映画祭で、アンセルモ・ドゥアルチ(Anselmo Duarte)監督が『サンタ・バルバラの誓い(O Pagador de Promessas)(1962)』で‪パルム・ドール‬を、グラウベル・ローシャ(Glauber Rocha)監督が『狂乱の大地(Terra em Transe)(1967)』と『アントニオ・ダス・モルテス (O Dragão da Maldade contra o Santo Guerreiro)(1969)』で国際映画批評家連盟賞を受賞している他、近年ではヴァルテル・サレス(ウォルター・サレス/Walter Salles)監督の『Linha de Passe(2008)』に主演した女優サンドラ・コルヴェロニ(Sandra Corveloni)が、主演女優賞を受賞している。

また今回のカンヌ映画祭のコンペティション部門に、ブラジルが舞台の作品ではないが、ヴァルテル・サレス監督の最新作『On the Road』(原作:ジャック・ケルアック『路上』)がノミネートされている。

http://www.festival-cannes.fr/

良質新人ロックバンド、百花繚乱 その2 ~サンパウロ出身バンド編~

随分間隔が空いてしまいましたが、ブラジルの若手ロックバンドの特集2回目です。今回は南米最大の都市サンパウロです。サンパウロの若手バンド5バンドを紹介します。

1回目の「良質新人ロックバンド、百花繚乱 その1 ~南部出身バンド編~」はこちら

──Garotas Suecas ──

まず最初に紹介するのは、「ご機嫌な」という形容が似合う、サンバ-ファンク、サンバ-ソウル系のバンドのガロタス・スエカス(Garotas Suecas)。まず、このクリップをご覧あれ。昨年のブラジルのMTVの音楽賞「VMB」のクリップ部門にもノミネートされた傑作PV。

Garotas Suecas – Banho De Bucha

Garotas Suecasは標準的なバンド編成(Gt×2)に、オルガン音担当で紅一点のイリナ・ベルトルシ(Irina Bertolucci)の6人組。バンド名は「スイスの女の子たち」という意味だが、イリナがいるからこそのバンド名なんだろうか。
2005年にサンパウロで結成され、2008年に1stEPの『Dinossauros EP』を発表し、2010年に1stアルバム『Escaldante Banda』を発表した。以前は彼らのサイトからアルバムのダウンロードができたのだが、後にAmerican Dust RecordsからCD/LPがリリースされて、今はできなくなっているようだ。フル試聴は可能↓

Escaldante Banda

なんだか、何をやってもサマになるバンドだが、アルバムリリース後に発表されたムタンチスのBat Macumbaのカバーもイカしてマッスル!

──Quarto Negro──

 次のバンドは、渋くてかなりの実力派のバンド「クアルト・ネグロ(Quarto Negro)」。バンド名は「暗い部屋」ぐらいのニュアンスだろうか。昨年、1stアルバム『Desconocidos』をリリースした。
メンバーは、エドゥアルド(Eduardo Praçaーヴォーカル、ギター。バンド「Ludovic」のギターも担当)、チアゴ(Thiago Kleinーピアノ)、ファビオ(Fabio Brazilーベース)の3人で、ドラマーはサポートメンバー。

サンパウロで結成され、2008年に1stEP『Buu』をリリース。以降、「Zoroastro」「Bom dia, Lua」などのクリップへのMTVを含む高い評価を経て、『Desconocidos』をバルセロナで録音。1stアルバム『Desconocidos』は、ブラジルのインディーシーンを扱うブロガーの2011年のベストディスク選で、何度も上位に上げられているのを目にした。実際、深淵なロックが奏でられていて、今度も大きく注目していきたいと思っているバンドだ。

アルバムは、Tweet又はFacebookでコメントすることで、ダウンロード可能

アルバムの各曲紹介のビデオ
Faixa a Faixa – Quarto Negro – Desconocidos

クリップへの評価も高いバンドだが、アルバム『Desconocidos』からは、2曲のクリップがすでにリリースされている。
Quarto Negro – Vesânia I (Cabo Horn)

Quarto Negro · Vesânia II (Delírio Mútuo)

──Rancore──

次は、かなり激しい方のロックなので、個人的にはあまり得意でないが、注目を浴びていることには違いないので、紹介したい。
ブラジルのMTVの音楽賞「VMB」には、「Aposta」という、MTVが今後応援したいと思っているアーティストを選ぶ部門と当方は解釈している部門があるのだが、昨年の同部門にノミネートされ、実際受賞したTonoを争っていたと思われるのが、ここで紹介するハンコリ(Rancore)だ。

2002年頃から本格的な活動をはじめ、独自に2枚のアルバムを発表した後、2010年にDeckと契約。2011年に3枚目のアルバムとなる『SEIVA』を発表した。アリ・ラフェリシ(Ale Iafelice、ドラム)、カンヂーニョ・ウバ(Candinho Uba、ギター)、カジェジ(Caggegi、ベース)、グスターヴォ・テイシェイラ(Gustavo Teixeira、ギター)、テコ・マルチンス(Teco Martins、ヴォーカル)から成る5人組。

『SEIVA』は、ロック好きの音楽ファンに大きく注目された。世界的にヘヴィメタバンドを幾つも輩出しているブラジルだから、彼らもブラジル以外の国で活躍する日も近いのかもしれない。

RANCORE – MÃE (Clipe Oficial)

Rancore – Jeito Livre (Clipe Oficial)

 

──Cérebro Eletrônico──

ジルベルト・ジルの名曲「Cérebro Eletrônico(電子脳)」をバンドに冠したサンパウロの5人組。結成は2002年、2003年に1stアルバム『Onda Híbrida Ressonante』、2008年に『Pareço Moderno』を発表し、昨年『Deus e o Diabo no Liqüidificador』を発表した。

影響を受けたものはトロピカリア・ムーヴメント(o movimento Tropicalista)、セルジオ・サンパイオ(Sérgio Sampaio)、ハウル・セイシャス(Raul Seixas)、ヒタ・リー(Rita Lee)、ジュピター・マサゥン(Júpiter Maçã)、アンドレー・アブジャンラ(André Abujamra)、パト・フー(Pato Fu)を上げており、前衛ながらポップ/ロックの親しみやすさを残した音作りが特徴的だ。

アルバム『Deus e o Diabo no Liquidificador』はオフィシャル・サイトからダウンロード可能。
サイト http://www.cerebrais.com.br/
ダウンロードへの直リンク http://www.4shared.com/rar/VeJjVe_e/file.htm

試聴はMyspaceが便利かな。
http://www.myspace.com/cerebroeletronico

──Holger──


ホルガー(Holger)は、脱力系ロックの5人組。歌詞は英語詞。
今Holgerの意味を調べたが「人魚の魔女の手下。その役割は演奏。魔女のために音楽を奏で続ける虚ろな楽団。その音を長く聞き続けた者は魂を抜き取られてしまう。この楽団は魔女のためだけに存在し、魔女には楽団が全て」という意味があるそうな。「虚ろな楽団」とは、まさに彼らの脱力感をよく表している。

Holger – The Auction

2010年にリリースされたのアルバム『Sunga』

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「ロック」と区切っても、バラエティ豊かな若手バンドがサンパウロには沢山おります。次は、リオ編の予定です。

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良質新人ロックバンド、百花繚乱 その1 ~南部出身バンド編~ http://wp.me/pr74C-gz
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ブラジリアン・ニューフォーク http://wp.me/pr74C-eZ

 

ブラジルのラジオでよくかかっている曲 4/22調べ

ブラジルのラジオ局の中で、名前通りMPBをこよなく愛しているラジオ局「MPB FM」のよくかけた曲ベスト10(4/22調べ )[音源は消えている可能性もあります]

1. Mart’nália e Djavan – Namora comigo

2. Rita Lee – Reza

3. Mariana Aydar – Preciso do teu sorriso

4. Vander Lee – Lado bamba

5. Isabella Taviani – A canção que faltava

6. Marisa Monte – Depois

7. Zeca Baleiro – Calma aí, coração

8. Alcione – O sono dos justos

9. Lenine – De onde vem a canção?

10. Pedro Luís – Bela Fera

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週刊 新しい音 Vol.4 ─As Novidades Semanais─

金曜の夜〜土曜の午前中、にかけて更新するのが目標だったんですが、ご覧のように遅れましたぜぃ。
体調悪かった上に、ポータブルHDとiPodが壊れたぜぃ。ももクロの横浜アリーナに行く友達と一緒に、DVD見て予習したぜぃ。僕はもちろん行かなかったんですがね!! 社会勉強です。

ブラジルからは今週も沢山いい音が届きましたぜぃ!! 今回の目玉2本は、音源のダウンロードが可能!!

──今週の目玉①──Destaque da semana 1──
Vol.2で紹介した今年結成15周年を迎えるロック・バンド「ロス・エルマーノス(Los Hermanos)」へのオマージュ作品『Coletânea Re-Trato Los Hermanos musicoteca』の続編がリリースされ、今回の企画の全カバー曲が揃いました。(前編についてはこちら

DL『Coletânea Re-Trato Los Hermanos musicoteca | Disco 2 – 2012』
http://www.amusicoteca.com.br/?p=6425
(曲目のしたにDLリンクがあります)

今回も素晴らしいカバーばかりですが、5曲紹介します。

Um Par – Dan Nakagawa
http://soundcloud.com/douglasfr/um-par-dan-nakagawa
ネイ・マトグロッソNey Matogorossoが後見人的な立場で応援しているンパウロ出身の日系ブラジル人のアーティストDan Nakagawa(ダン・ナカガワ)。先日こちら(ブラジリアン・ニューフォーク)でも紹介しました。ぜひ1stアルバムも聞いてみて下さい。

Cara Estranho – Leo Fressato
http://soundcloud.com/douglasfr/cara-estranho-leo-fressato
良質新人ロックバンド、百花繚乱 その1 ~南部出身バンド編~」で取り上げたア・バンダ・マイス・ボニータ・ダ・シダーヂ(A Banda Mais Bonita da Cidade)の大半は、レオ・フレサトLeo Fressatoの作品。次は彼のデビューアルバムが大きく注目されることは間違いなし。

Conversa De Botas Batidas – Cícero
http://soundcloud.com/douglasfr/conversa-de-botas-batidas-c
今、インディーシーンで最も注目を浴びているリオのシンガーソングライター「シセロCícero」による弾き語りによるカバー。彼についてもこちら(ブラジリアン・ニューフォーク)で。

Casa Pré-Fabricada – Lula Queiroga
http://soundcloud.com/douglasfr/casa-pr-fabricada-lula
多くの女性歌手にも取り上げられ00年代のブラジル音楽シーンにおける大名曲の1つだと言えるこの曲は、ペルナンブーコ出身でレニーニと連名でアルバムを発表したこともあり、昨年も『Todo dia é o fim do mundo』という素晴らしい作品を発表したルラ・ケイロガLula Queiroga。

Morena – Wado
http://soundcloud.com/douglasfr/morena-wado
アラゴアスAlagoas出身で、打ち込みを中心にした独特の世界を持つ作品を発表しているヴァドWado。昨年のアルバム『Samba 80』にもたいへん楽しませてもらった。

Disco1とDisco2をまとめて試聴したい方は、↓が便利。

Los Hermanos – Coletânea Re-Trato
http://soundcloud.com/douglasfr/sets/re-trato/

──今週の目玉②──Destaque da semana 2──
2世アーティストのデビューも飽和状態にあって、なかなかそういう情報では食指が動かないが、彼女の場合は違った。彼女の父親は、2枚組の新作『Indivisível』も傑作だったサンパウロの知性派アーティストのゼー・ミゲル・ヴィズニキ(Zé Miguel Wisnik)。

ソフィスティケイトされた非常に美しいポップスが並ぶマリナ・ヴィスニキMarina Wisnikのデビューアルバム『Na Rua Agora』。プロデュースは若手の中でも最も信頼の厚いマルセロ・ジュネシMarcelo Jeneciと、サンパウロの前衛ロックバンド「シダダゥン・インスチガードCidadão Instigado」のユリ・カリウYuri Kalil。ゲストとしてゼーもアルバムに参加しているが、アルバムを聴いた印象としては、ゼー・ミゲル・ヴィズニキの世界に近いというより、マルセロ・ジュネシの極めて優しいポップスの世界に近い。

Marina Wisnik – Deitada em si

ピアノを弾いているのがMarcelo Jeneci。この曲は、Marcelo Jeneciの1stアルバム『Feito Para Acabar』にも収録されていた。

こちらの方が、最近の映像。
Marina Wisnik – NA RUA AGORA (VIDEOCLIPE OFICIAL)


アルバムのダウンロードはこちらから。曲目の下にリンクがあります。
Marina Wisnik-Na Rua Agora
http://www.amusicoteca.com.br/?p=6141

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ヒタ・リーRita Leeの9年ぶりのアルバム『Reza』のプレオーダー(予約)が始まっている。ただ、まだ、聴けるのは、ノヴェーラで使われているアルバム・タイトル曲「Reza」だけだ。

Rita Lee e Roberto de Carvalho – Reza

発売が開始された、このページから購入可能になるようだ。
http://itunes.apple.com/br/preorder/reza/id512774355

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ウィルソン・ダス・ネヴィスWilson das Nevesが、ニューアルバムの録音を進めている。プロデュースは、ベルナ・セッパスとカシンで、バンドにはシコ・ブアルキ・ファミリーが参加していたりと、かなり期待したい作品。

Novo CD Wilson das Neves – EMBOLACHA.mov

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もう一人、すごいアーティストのアルバムの録音風景が上がっていた。トン・ゼーTom Zéだ。新作のアルバムタイトルは『Tropicália Lixo Lógico』。すごいタイトルだ。リリースされれば、2012年の問題作として話題になるに違いない。
今回のアルバムでは、トン・ゼーは若い世代のアーティストと共演していて、ラッパーのエミシダEmicidaや、天才少女シンガーソングライターのマルー・マガリャィンスMallu Magalhaês、ロス・エルマノス以外でも世界的に活躍するホドリゴ・アマランチRodrigo Amaranteらだ。
プロデューサーは、万能プロデューサーのカシンKassinが務めている。
このビデオでは、トン・ゼーがホドリゴ・アマランチを呼んだ際の様子が紹介されている。

Tom Zé e Rodrigo Amarante em estúdio

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先日味わい深い音作りの新作『カラバナ・セレイア・ブルーム』が国内盤として発売されたセウCéuのアメリカのJools Hollandでの最新ライヴの様子がUpされた。ひょんな縁から、国内盤の対訳を、本稿の担当がやってますので、ぜひ国内盤をよろしくお願いします!!
国内盤はミュージックキャンプからリリース

CEU – Contravento – Jools Holland Live 2012

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インダストリアル・ロック+デジタル・ロック+レジアゥン・ウルバナLegião Urbanaな感じのリオ出身の3人組マキナMáquinaのデビューアルバム。ダウンロード可能。

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英語で歌うシンガーソングライターのPhillip Longのニュークリップ「Nobody’s Happy」

彼は、冒頭のロス・エルマノスのカバー曲集では、ホドリゴ・アマランチの名曲「Sentimental」をカバーした。
Sentimental – Phillip Long
http://soundcloud.com/douglasfr/sentimental-phillip-long

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今週はこんな感じだったかな。では、また次回だぜぃ。

──過去の記事──
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週刊 新しい音 Vol.2 ─As Novidades Semanais─ http://wp.me/pr74C-h7
週刊 新しい音 Vol.1 ─ As Novidades Semanais ─ http://wp.me/pr74C-gG
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良質新人ロックバンド、百花繚乱 その1 ~南部出身バンド編~ http://wp.me/pr74C-gz
ブラジルのHipHopの歴史が動いている「CrioloとEmicida」 http://wp.me/pr74C-fx
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週刊 新しい音 Vol.3 ─As Novidades Semanais─

今回は、目玉扱いのもの2つは、リリースニュースで、まだアルバムのフル試聴とかはできません。

──今週の目玉①──Destaque da semana 1──

 なんかヤバそうなのが出て来ました。テクノブレーガ系のブラジル北部パラ州出身の女性歌手ガビ・アマラントスGaby Amarantosの1stアルバム『トレミTreme』のリリースがアナウンスされました。5月前半の発売だそうです。見てください、このおっぱいビームのジャケット。下品です。こんなんですが、ノヴェーラのサントラに曲が使われて、注目を集め初めています。やっぱり下品なこのクリップを見て、アルバムの到着を待ちます。

GABY AMARANTOS / XIRLEY (MUSIC VIDEO)

[追記]ガビ・アマラントスGaby Amarantosは、突然彗星のごとく出て来たわけではなくテクノ・ブレーガのユニット「Banda Tecno Show」の元メンバーで、自称「パラ州のビヨンセ」。(Willie Whopperさんのトークショーで勉強させてもらった内容)

また曲目は出ているので、転載。
* Xirley (Zé Cafofinho, Original DJ Copy, Chiquinho, Marcelo Machado e Hugo Gila)
* Ela Tá Beba Doida (Beba Doida) (Romin Mata)
* Ex Mai Love (Veloso Dias)
* Merengue Latino (Ronaldo Silva)
* Pimenta Com Sal (Eliakin Rufino) – com Fernanda Takai
* Gemendo (Gaby Amarantos)
* Vem me Amar (Alípio Martins e Jesus Couto)
* Galera da Laje (Maderito e Joe Benassi) – com Maderito
* Ela Tá No Ar (Felipe Cordeiro e Gaby Amarantos)
* Mestiça (Dona Onete) – com Dona Onete
* Coração Está Em Pedaços (Zezé Di Camargo)
* Chuva (Thalma de Freitas e Iara Rennó)
* Eira (Gaby Amarantos)
* Faz o T (Gaby Amarantos)

オリジナル以外に、Zeze di Camargo e Lucianoのカヴァーがあったり、ジャンルが違う若手女性歌手タルマ・ヂ・フレイタス(Thalma de Freitasとイアラ・へノー(Iara Rennó)の曲があったり、やっぱり面白そうなアルバム。この曲のライヴ映像がありました。

Gaby Amarantos, Thalma de Freitas, Iara Rennó e Dj Barata @ Casa Fora do Eixo SP

──今週の目玉②──Destaque da semana 2──

下品なブラジルの後は、上品なブラジルを紹介して、バランスをとります。天使のような歌声を持つ、超実力派男性歌手ヘナート・ブラスRenato Brazのソロアルバムとしては6年ぶりの6枚目のオリジナルアルバム『カーザ・ヂ・モラールCasa de Morar』がリリースされました。各曲30秒の試聴ですが、Tratoreのサイトで試聴できます。
http://www.tratore.com.br/cd.asp?id=7898515692819

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結成15周年を記念して国内ライヴツアーをスタートさせるLos Hermanos。その最新の練習風景がUpされました。ツアーは、4月20日のレシーフェ公演からスタート。


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 マルセロD2(Marcelo D2)とともにプラネット・ヘンプ(Planet Hemp)のMCだったベネガォン(BNegão)率いるバンド「BNegão & Os Seletores de Frequência」が、セカンド・アルバム『Sintoniza Lá』からの先行曲「Alteração (Éa!) 」を公開。この曲には、セウ(Céu)がゲスト参加。

http://soundcloud.com/bnegaoeseletores/01-altera-o-a

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トゥリッパ・ルイズ(Tulipa Ruiz)のニュークリップ。ただ、この曲は彼女のオリジナルアルバムに収録されていた曲ではなく、マリーナ・リマへのトリビュート・アルバム『Literalmente Loucas – Canções de Marina Lima』に収録されている曲。NYにツアーに行った際に、兄のグスタヴォ・ルイズ(Gustavo Ruiz)が撮影したビデオを編集して作られたクリップ。

Tulipa Ruiz – Memória Fora de Hora

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Los Hermanosのフォロワーの中で、最もLos Hemanosらしいエッセンスを持っているポルト・アレグリ出身のバンド「アパニャドール・ソ(Apanhador Só)」のアルバム『Apanhador Só』(2010)からのニュークリップ。映像も綺麗なクリップに仕上がっている。

Apanhador Só – Nescafé (Clipe Oficial)

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3rdアルバム『Próxima Estação』を発表したバンドVolverの、アルバムからの1stクリップ。
Volver – Mangue Beatle (Clipe Oficial) | Full HD

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リオのインディーギターポップバンド「Luísa Mandou Um Beijo」のニューアルバム『Luísa Mandou Um Beijo』(2012)をリリース。

彼らのサイトからアルバムのフルダウンロードも可能。
http://www.luisamandouumbeijo.com/
(左の絵をクリックしてアルバムのページに入った後、SoundCloudのアプリの下の絵をクリックするとDLが始まります。)
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若いアーティストをずっと紹介し続けているプロジェクト「Musica de Bolso」が更新。今回紹介されているのは、クリチバ出身のデュオ「Felixbravo」。

Música de Bolso – Felixbravo – Infância

Música de Bolso – Felixbravo – Maxichoro

彼らのMySpaceはこちら。
http://www.myspace.com/felixbravo

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最後に、まだアルバムの発表をしていないエレクトロニカ系のアーティスト「Pazes」の、5月にリリースされる1stEP『Limbo』からの先行公開曲「Rogue States」。Sonár SPに出演するということで、話題になっています。ダブステップ。

http://soundcloud.com/sonarsp2012/pazes-rogue-states

テクノブレーガで始まって、ダブステップで終わるなんて、お後がよろしいようで。

──過去の記事──
週刊 新しい音 Vol.2 ─As Novidades Semanais─ http://wp.me/pr74C-h7
週刊 新しい音 Vol.1 ─ As Novidades Semanais ─ http://wp.me/pr74C-gG
──
良質新人ロックバンド、百花繚乱 その1 〜南部出身バンド編〜 http://wp.me/pr74C-gz
ブラジルのHipHopの歴史が動いている「CrioloとEmicida」 http://wp.me/pr74C-fx
ブラジリアン・ニューフォーク http://wp.me/pr74C-eZ

「ヂオゴ・グアナバラ&マカシェイラ・ジャズ」& 中川恭太 共演ライヴ @Natal, 4月15日

ヂオゴ・グアナバラ&マカシェイラ・ジャズ(Diogo Guanabara e Macaxeira Jazz)の日本での公演にゲスト出演していただいた中川 恭太(Kyoto Nakagawa)さんが、今、ヂオゴ・グアナバラ&マカシェイラ・ジャズの地元のリオ・グランデ・ド・ノルテ州のナタルにいらっしゃっており、きたる4月15日に、ナタルで、ヂオゴ・グアナバラ&マカシェイラ・ジャズと、交流コンサートを行います!! さっと行けるところではありませんが、Tupiniquimも少しお手伝いさせて頂きましたので紹介させていただきます。

↓中川恭太さんが、東京で、ヂオゴ・グアナバラ&マカシェイラ・ジャズのステージにゲスト出演した際の映像です。音質はあまりよくないのですが。
DIOGO GUANABARA E MACAXEIRA JAZZ EM TOKYO – Live 19 – 11 DE SETEMBRO DE 2011

ヂオゴ・グアナバラ&マカシェイラ・ジャズ(Diogo Guanabara e Macaxeira Jazz) 
中川 恭太(Kyoto Nakagawa)

週刊 新しい音 Vol.2 ─As Novidades Semanais─

ototoyさんのメルマガとってますか? めっちゃ面白いです。毎回笑わせてもらいます。小生はあんな面白い文書けないので、今回も普通のテンションでお送りします。土日の方がじっくり読んでもらえるのかなあってことで、「新しい音」は、金曜の夜に夜なべして、土曜の午前中にアップできればいいのかなあと思いはじめています。が、華金が暇な俺ってどぉなっちゃってんだよ!

今週もブラジル音楽が好きで良かったと思えたいい音源に沢山会いました。では、早速。

──今週の目玉①──Destaque da semana 1──

トゥルピ・シャ・ヂ・ボルド(Trupe Chá de Boldo)が2ndアルバム『ナヴィ・マニャ(Nave Manha)』をリリースしたが、これが素晴らしい。↓これがバンドが1stシングル的に扱っている曲。

Trupe Chá de Boldo – Na Garra

でも個人的には今のところ、こっちの方が好き。

Trupe Chá de Boldo – Ensaio – “No escuro”

Trupe Chá de Boldoは、2005年にサンパウロで結成されたビッグ・バンド。現在のメンバーは13人で、結成のきっかけは、カーニヴァルをを楽しむため。カーニヴァルを楽しむために友人たちで結成されたビッグ・バンドと言えば、カーニヴァル時期を中心に活動する、リオデジャネイロのオルケストラ・インペリアル(Orquestra Imperial)が思い浮かぶが、オルケストラ・インペリアルは2000年代前半からブレイクしてブラジル各地でコンサートを行っていたので、結成時にお手本の一つとしてオルケストラ・インペリアルを意識してはいただろう。最近のライヴの様子も見ても、佇まいは似ているところがあるが…出てくる音にしっかり特徴がある。一番の特徴は、Trupe Chá de Boldoがサンパウロ出身というところだ。彼らの音は、特に2ndアルバムにおいて、80年代のイタマール・アスンサォン(Itamar Assumpção)やグルーポ・フモ(Grupo Rumo)らから続く、サンパウロの前衛性を受け継いでいる。しかも、前衛的ではあるが、歌もののポップとして通じるツボもしっかり抑えている。トロピカリアのポップ性といえるような…前衛かつポップだ。

2010年にリリースしたデビューアルバム『バルバロ(Bárbaro)』は、トン・ゼー(Tom Zé)からも大絶賛された。特に詞の面で。1stアルバムもすごいアルバムだけど、プロデューサーが今作から、トゥリッパ・ルイズ(Tulipa Ruiz)の兄で、Tulipaのプロデューサーでもあるグスタヴォ・ルイズ(Gustavo Ruiz)に変わっており、そのせいかいかにも「ミクスチャー」という感じもあった1stアルバムよりも、アルバム全体にしっかり流れがあり、地に足がついたリズムを鳴らしている。

バンドのソングライティングのほぼ全てを担っているのは、男性Voのグスタヴォ・ガロ(Gustavo Galo)で、彼がバンドの格だ。もしも、バンドが解散しても、Grupo Rumoからルイス・タチ(Luiz Tatit)が音楽シーンに残ったように、末永く音楽シーンに残っていく逸材だ。アルバム・デビュー前にテレビに出演した際のこの映像なんかでは、若い頃のカエターノ・ヴェローゾの風貌にも似ている。

Trupe chá de boldo – melhores momentos


アルバム『Nave Manha』は、彼らのサイトからフルアルバムをDLできる。(サイトの左側の紫の部分をクリックするとリンクが出てくる。)
http://cargocollective.com/trupechadeboldo

試聴は、彼らのMyspaceが便利。
http://www.myspace.com/trupechadeboldo


──今週の目玉②──Destaque da semana 2──

もう1つ今週とてもよく聞いたのが、今年結成15周年を迎えるロック・バンド「ロス・エルマーノス(Los Hermanos)」へのオマージュ作品の『Coletânea Re-Trato Los Hermanos musicoteca | Disco 1 – 2012』。ロス・エルマーノスから影響を受けた新しい才能を持ったアーティストたちによるカヴァー集だ。オマージュだけを目的にした作品で、無料で音源を配布している。アルバムタイトルに「Disco 1」とあるように、続編「Disco 2」も控えているが、まず「Disco 1」も素晴らしいカヴァーばかり。

DL『Coletânea Re-Trato Los Hermanos musicoteca | Disco 1 – 2012』
http://www.amusicoteca.com.br/?p=6290
(曲目のしたにDLリンクがあります)

全曲解説は時間がかかってしまうので、5曲だけ簡単にコメントさせてもらうと、
オープニングのTrack1は、カエターノの現在のバンド「Banda Cê」のメンバー二人を含むド・アモール(Do Amor)による、初期の代表作「Todo Carnaval Tem Seu Fim」。Do Amorの果てしない才能が感じられるド変態カヴァーだ。

http://soundcloud.com/musicoteca/do-amor-todo-carnaval-tem-seu

Track3は、ブラジル人ながら、英国や米国で育ち、普段は英語で歌うシンガーソングライターのチアゴ・イオルク(Tiago Iorc)による「Morena」。

Track7は、これまでに2枚の素晴らしいアルバムを発表しているシンガーソングライターのペリコ(Pélico)による叙情的な曲「Condicional」。Pélicoのカヴァーは、曲の叙情性が更に際立っている。

http://soundcloud.com/douglasfr/condicional-p-lico

Track11は、ノヴォス・コンポジトーレス・シーンの注目の5人組「シンコ・ア・セコ(5 a Seco)」(詳しくはラティーナ誌本年4月号の船津亮平氏の記事を!)による「Tá Bom」。

http://soundcloud.com/douglasfr/t-bom-5-a-seco

Track14は、先日、南部出身のブラジルの若手バンドを紹介した際に大きく取り上げたア・バンダ・マイス・ボニータ・ダ・シダーヂ(A Banda Mais Bonita da Cidade)による「Dois Barcos」
http://soundcloud.com/douglasfr/dois-barcos-a-banda-mais

他にも泣かされた曲も、唸らされた曲もたくさん…興味を持った方は、DLしてアルバムを通して聞いてみて下さい。しかも、ここを見れば続編の参加者がわかるが、続編の参加者にもすでにヨダレが出てしまっている。それから、ロス・エルマーノス(Los Hermanos)をちゃんと聞いたことがない人は、本家をしっかり聞いてみることもおすすめ。

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ここからはもっと簡単に紹介。

マルチナーリア(Mart’nália)の新作『Não tente compreender』のプロモーションが特設サイトで始まっている。
http://www.biscoitofino.com.br/martnalia/

上記のサイトには、もっとビデオがたくさんある。
アルバムのプロデューサーは、なんとジャヴァン(Djavan)。

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北東部パライーバの渋いバンド「カブルエラ(Cabruêra)」がニューアルバム『Nordeste Oculto』を発表。こちらで試聴とアルバムのDLができる。
http://www.overmundo.com.br/banco/nordeste-oculto-cabruera

Cabruêra – Turnê Nordeste Oculto #0.1

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ナサォン・ズンビ(Nação Zumbi)のシーナ(China)のレーベルに所属するレシーフェ出身の歌手「Gabi」の1stシングル。同郷のロックバンドのモンボジョーの作品などを収録。

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「ブラジリアン・ニューフォーク」の記事でメインで紹介したシセロ(Cícero)が「Oi Novo Som」が毎週行っている生中継スタジオライヴに出演。その模様を編集したライヴ映像がたくさんアップされた。

Cícero – Tempo de Pipa

Cícero – Laiá Laiá

Cícero – Ponto Cego
Cícero – Pelo Interfone
Cícero – Cecília e os Balões
Cícero – Açucar ou Adoçante
Cícero – Eu Não Tenho um Barco
Cícero – Vagalumes Cegos

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サンパウロのファンク/ソウル/ロックを演奏するご機嫌なバンドのガロタ・スエカス(Garota Suecas)が、トロピカリア・ムーブメントの代表曲の1つ「Bat Macumba」のカヴァーをシングルとして発表。

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それから、マリア・ベターニア(Maria Bethania)の新作『Oásis de Bethânia』が発売。iTunesでの配信も始まっており、日本のiTunes Storeでも購入可能。
試聴などもiTunes Storeで。

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今週も色々ありました〜。では、また次回。

Press Awards Japão 2012の一般投票開始、トゥピニキーンもノミネートされました!! 応援よろしくお願い致します!

Press Awards Japão 2012へのプレ・ノミネート者のリストが発表になりました。16のカテゴリーで、156の候補者/団体がノミネートされています。4月2日から5月5日まで、ブレスアワードの実行委員会のサイト(www.pressaward.com [ポルトガル語])で一般投票が行われ、その結果から本選へのノミネート者が選ばれます。投票はこちらで開始されました。

プレ・ノミネート者の中からそれぞれのカテゴリーで、5人/組の本選へのノミネート者が選ばれ、5人のノミネート者の中から、メディアや文化団体、地域活動家ら60人で構成された選抜委員会が、受賞者を選びます。

授賞式は、7月19日に赤坂・草月ホールで行われる予定で、授賞式内でホベルト・メネスカル(Roberto Menescal)とレイラ・ピニェイロ(Leila Pinheiro)による演奏も予定されています。

光栄なことに、弊社トゥピニキーン・エンターテイメント株式会社(Tupiniquim Entertainment Co., Ltd.)関係では、ブラジル文化を普及させている団体(INSTITUIÇÕES QUE PROMOVEM A CULTURA BRASILEIRA)部門に弊社がノミネートされている他、弊社が行っているブラジル映画祭(Festival de Cinema do Brasil[弊社での表記はFestival Cinema Brasil])が文化コミュニティーイベント(EVENTOS CULTURAIS E COMUNITÁRIOS)部門にノミネートされ、また昨年行ったレニー・アンドラーヂ(Lenny Andrade)とマカシェイラ・ジャズ(Macaxeira Jazz)のコンサートが、2011年にコンサート(SHOW ON TOUR 2011)部門にノミネートされています。また、弊社が配信させていただいているEdmundo Carneiroの『The Hands』は2011年に日本でリリースされたブラジル人アーティストのCD(CD DE ARTISTA BRASILEIRO LANÇADO NO JAPÃO EM 2011)部門にノミネートされています。

ブラジルの想いを東北へ」で、協力をいただいた男性歌手のAndré ReisさんとVinicius Ramos(a.k.a.Ace)さんが日本に住むブラジル人男性歌手(CANTORES BRASILEIROS RADICADOS NO JAPÃO)部門に、Sabrina Hellshさんが日本に住むブラジル人女性歌手(CANTORAS BRASILEIRAS RADICADAS NO JAPÃO)部門に、Nakahira Mariko(ノミネート者リストではNakaharaの表記ですが間違いだと思います。中平マリコ)さんが、ブラジル文化を普及している日本人アーティスト(ARTISTA JAPONÊS QUE PROMOVE A CULTURA BRASILEIRA)部門に、同イベントを主催していただいたNPO ABC Japanが地域団体(INSTITUIÇÕES DE AÇÃO COMUNITÁRIA)部門に、ABC Japanを主宰しているHidekichi Hashimotoさんが地域活動家(PERSONALIDADES DE AÇÃO COMUNITÁRIA)部門に、同イベントを全面的に支援していただいたKaigai Nikkeijin Kyokai(海外日系人協会)が、ブラジル人コミュニティーを支援している日本の団体(INSTITUIÇÕES JAPONESAS QUE APOIAM A COMUNIDADE BRASILEIRA)部門にノミネートされています。

また、弊社で1stアルバムを配信しているグループ「Minaswing」が、日本に住むブラジル人のグループ(DUO, TRIO E BANDAS BRASILEIROS RADICADOS NO JAPÃO)部門にノミネートされ、同バンドのヴォーカルでソロ活動も盛んに行っているSilvio Anastácioさんは、日本に住むブラジル人男性歌手(CANTORES BRASILEIROS RADICADOS NO JAPÃO)部門にノミネートされています。

その他にも、イベントに出演/協力いただいた方々では、下記の方々がノミネートされています。

Roberto Maxwellさん──ビジュアル・アート部門(ARTES VISUAIS)
Blog do Suriemuさん──文字情報部門(DESTAQUE LITERÁRIO)
Nego Fortunatoさん──日本に住むブラジル人男性歌手(CANTORES BRASILEIROS RADICADOS NO JAPÃO)部門
Balança Mas Não Caiさん──日本に住むブラジル人のグループ(DUO, TRIO E BANDAS BRASILEIROS RADICADOS NO JAPÃO)部門
Barra Ventoさん──ブラジル文化を普及している日本人アーティスト(ARTISTA JAPONÊS QUE PROMOVE A CULTURA BRASILEIRA)部門
Kazufumi Miyazawaさん──ブラジル文化を普及している日本人アーティスト(ARTISTA JAPONÊS QUE PROMOVE A CULTURA BRASILEIRA)部門
Soraya Umekawaさん──ブラジル文化を普及している日本人アーティスト(ARTISTA JAPONÊS QUE PROMOVE A CULTURA BRASILEIRA)部門
Andreson “Andy” Kobayashiさん──地域スポーツ(DESTAQUE NO ESPORTE COMUNITÁRIO)部門
Shinji Mogiさん──地域活動家部門(PERSONALIDADES DE AÇÃO COMUNITÁRIA)

 

また、団体では、様々な機会でお世話になっている、東京外国語大学(GAIDAI – Univ. De Estudos Estrangeiros de Tóquio
)がブラジル文化を普及させている団体(INSTITUIÇÕES QUE PROMOVEM A CULTURA BRASILEIRA)部門に、浅草サンバーカーニバル(Asakusa Samba Carnival)が、地域文化イベント(EVENTOS CULTURAIS E COMUNITÁRIOS)部門にノミネートされています。

2011年に日本でリリースされたブラジル人アーティストのCD(CD DE ARTISTA BRASILEIRO LANÇADO NO JAPÃO EM 2011)部門では、上記のようにいつも協力していただいている
Sabrina Hellshさんの『A Rosa e o Girassol』(アルバムはArthur & Sabrina名義)と
Minaswingさんの『Mineral』がノミネートされています。

よろしければ、応援をよろしくお願い致します!! 投票はこちらです。

投票時に見にくいと思ったので、弊社関係/協力者のものを投票時の上から順にリストアップしてみました。

─FOTOGRAFIA(写真部門)

─ARTES VISUAIS(ビジュアル・アート部門)
Roberto Maxwell

─DESTAQUE LITERÁRIO(文字情報部門)
Blog do Suriemu

─SHOW ON TOUR 2011(2011年のコンサート部門)
Lenny Andrade
Macaxeira Jazz

─CANTORES BRASILEIROS RADICADOS NO JAPÃO(日本に住んでいるブラジル人男性歌手部門)
André Reis
Marquinhos Ramos(弊社の一員です!!)
Nego Fortunato
Silvio Anastácio
Vinicius Ramos(a.k.a Ace)

─CANTORAS BRASILEIRAS RADICADAS NO JAPÃO(日本に住んでいるブラジル人女性歌手部門)
Sabrina Hellsh

─DUO, TRIO E BANDAS BRASILEIROS RADICADOS NO JAPÃO(日本に住んでいるブラジル人のデュオ、トリオ、バンド部門)
Balança Mas Não Cai
Minaswing

─CD DE ARTISTA BRASILEIRO LANÇADO NO JAPÃO EM 2011(2011年に日本でリリースされたブラジル人アーティストのCD部門)
“A Rosa e o Girassol”- Sabrina Hellsh
“Mineral”- Minaswing
“The Hands”- Edmundo Carneiro

─ARTISTA JAPONÊS QUE PROMOVE A CULTURA BRASILEIRA(ブラジル文化を普及している日本人アーティスト部門)
Barra Vento
Kazufumi Miyazawa
Nakahara Mariko(正しくはNakahira Marikoではないかと)
Soraya Umekawa

─DESTAQUE NO ESPORTE COMUNITÁRIO(地域スポーツ部門)
Andreson “Andy” Kobayashi

─EVENTOS CULTURAIS E COMUNITÁRIOS(地域イベント部門)
Asakusa Samba Carnival
Festival de Cinema do Brasil

─INSTITUIÇÕES QUE PROMOVEM A CULTURA BRASILEIRA(ブラジル文化を普及させている団体部門)
GAIDAI – Univ. De Estudos Estrangeiros de Tóquio
Tupiniquin Entertainment

─INSTITUIÇÕES JAPONESAS QUE APOIAM A COMUNIDADE BRASILEIRA(ブラジル人コミュニティーを支援している日本の団体部門)
Kaigai Nikkeijin Kyokai

─PERSONALIDADES DE AÇÃO COMUNITÁRIA(地域活動家部門)
Hidekichi Hashimoto
Shinji Mogi

─INSTITUIÇÕES DE AÇÃO COMUNITÁRIA(地域団体部門)
NPO ABC Japan

─PROMOÇÃO DO IDIOMA PORTUGUÊS(ポルトガル語の普及活動部門)